簡易トイレの作り方!便器が使えない場合や凝固剤の代用品についても紹介

防災グッズ

地震や台風など大きな災害で断水した時、必ず必要になるのが簡易トイレです。

断水すると自宅のトイレは水が流れず、使えなくなってしまいます。そうした災害時に備えて、「簡易トイレの作り方を知っておきたい。」「簡易トイレを作るにはどんな材料が必要なの?」と気になる方は多いでしょう。

今回は、断水して水が出なくなっても使える簡易トイレの作り方をご紹介します。

この記事では簡易トイレに必要な物や、自宅の便器が使えない場合の簡易トイレの作り方、凝固剤の代用品、また、「簡易トイレは何日分の用意が必要?」などもご紹介していますので、ぜひご参考に してください。

札幌在住、40代男です。「マイホームと家族を守りたい!」がモットーで防災について勉強しています。家族と家、両親を守るため勉強した防災の知識を発信しています。周りの人を守るため、一緒に防災について学んでいきましょう!

簡易トイレを作るのに必要な物

簡易トイレを作るのに必要な物はたった2つです。

  • ゴミ袋   
  • 新聞紙 

簡易トイレは身近にある材料だけで簡単に作ることができます。

ゴミ袋

ゴミ袋 2枚(45リットルまたは30リットルの大きさのもの)

1枚は便器に、もう1枚は便座にセットして使います。

ゴミ袋なら地域のゴミ出しの日にそのまま捨てることができるため、大変便利です。

新聞紙

新聞紙(数枚/1回分)

新聞紙は排泄物の水分を吸収する働きがあります。また、新聞紙には排泄物を目隠しする役目や消臭効果もあります。

そのため中身が見える心配もありませんし、トイレに匂いが充満するといったストレスも軽減されます。

簡易トイレの作り方

自宅のトイレを使った簡易トイレの作り方をご紹介します。

断水していても自宅のトイレに破損などがない場合、トイレを利用して簡易トイレを作ることができます。

便器にゴミ袋をセットする

  1. 便座を上げる。
  2. 便器にゴミ袋を1枚セットする。
  3. ゴミ袋を便器を覆うようにしっかりと被せる。

セットしたゴミ袋の底の部分は、トイレの水が溜まっているところまできちんとセットします。こうすることで、排泄した後の処分がしやすくなります。

便器の底にはいつも水が溜まっていますが、この水は汲み取らないようにしてください。便器の底の水には、排水管から上がってくる悪臭を封じ込める役目があります。

便器にセットしたゴミ袋は、簡易トイレを使用する間はこのまま、外さずに使います。

便座にゴミ袋を被せる

  1. 便座を下ろす。
  2. 2枚目のゴミ袋を便座全体に被せる。

ゴミ袋はトイレの底までしっかりとセットします。

こうすることで、排泄やゴミ袋の処分がしやすくなるためです。

ちぎった新聞紙を便器に入れる

数枚の新聞紙をちぎり、クシャッと緩めに丸めます。

ちぎった新聞紙を、ゴミ袋をセットした便器に入れれば簡易トイレの完成です。

新聞紙の枚数は、水分をしっかり吸収できるくらいを用意します。

新聞紙が足りないと水分が直接ゴミ袋に溜まり、漏れの原因になってしまいます。そのため、便器には充分な量の新聞紙を入れておきましょう。

便座のゴミ袋の口を縛って捨てる

用を足したあとは「便座に被せたゴミ袋」だけを取り出し、 ゴミ袋の口を固く縛ります。この時にゴミ袋の空気を抜いておくと、ゴミの量を減らすことができます。

取り出したゴミ袋はそのまま燃えるゴミとして処分することが可能です。

ただ、災害時には自治体のゴミ収集がすぐには行われない場合もあります。その場合は、ゴミ収集が再開されるまで排泄物の入ったゴミ袋を自宅で保管することになります。

用を足した後のゴミ袋を自宅で保管する際には、蓋つきのバケツなどに入れておきましょう。

ゴミ収集の方法は自治体によって異なりますから、ゴミを出す前に確認しておきましょう。

排泄済みのゴミ袋を取り出したあとは、以下の1~3の手順を繰り返します。

  1. 便座にゴミ袋を被せる。
  2. ちぎった新聞紙を入れる。
  3. 用を足し終わったらゴミ袋を取り出す。

また事前の備えとして、携帯トイレを常備しておくのもおすすめです。携帯トイレのおすすめについては「災害時におすすめの携帯トイレ4選|選び方や注意点についても解説」をご覧ください。

便器が使えない場合の簡易トイレの作り方

地震などで便器が壊れて使えない場合の、簡易トイレの作り方をご紹介します。

便器をダンボールで代用する

自宅の便器が破損等で使えない場合は、ダンボールで代用することができます。

簡易トイレの作り方と使い方は、便器が使える場合とほとんど同じです。ただ、ダンボールで作ったトイレには便座の部分がないため、和式と同じ要領で使用します。

ダンボールで作った簡易トイレも、自宅のトイレと同じようにご家族全員で使用することができます。

用意するもの

  1. 大きめのダンボール
  2. ゴミ袋 2枚 (段ボールのサイズに合わせて30L~45Lのもの)
  3. ちぎった新聞紙 数枚
  4. 粘着テープ
  5. ハサミ

手順

  1. ダンボールの底を粘着テープで留める。
  2. 上向きにしたダンボールにゴミ袋をセットする。
  3. ちぎった新聞紙を入れる。

まず、ダンボールの底の部分を粘着テープで留めます。この時、ダンボールの縦方向と横方向に粘着テープを張ると強度が増します。

次に、ダンボールを上向きにし蓋を内側へ折り曲げます。こうすることで、ダンボールの強度が強くなり排泄もしやすくなります。

そこへゴミ袋を1枚入れ、ダンボール箱の中でよく広げます。

さらに、ダンボールをしっかりと覆うようにゴミ袋を被せたら、粘着テープで留めます。その上に2枚目のゴミ袋をセットし、よく広げます。こうすることで、排泄した後の処理がしやすくなります。

最後にちぎった新聞紙を入れれば、ダンボールで作った簡易トイレの完成です。

最初に粘着テープで留めたゴミ袋は、ダンボールトイレを使用している間はこのままにして、外さずに使います。

用を足したあとは、「上にセットしたゴミ袋」だけを取り出し、口を固く結びます。

ダンボール製の簡易トイレは、排泄物が入ったゴミ袋と同じように燃えるゴミとして処分することができます。

新聞紙の代わりに凝固剤として使えるものは?

新聞紙の代わりに凝固剤として使えるのが猫砂です。

猫砂は凝固剤として代用できる

猫砂は水分を吸うと固まる性質があるため、凝固剤として代用できます。

猫砂は本来ネコのトイレ用として作られているため、新聞紙よりも吸水力と消臭作用に優れています。

新聞紙が足りなくなった場合やネコを飼っている場合は、猫砂を代用するのも良いでしょう。その際、猫砂は紙製や木製のものを使用すると燃えるゴミとして処分することができます。

ただ、ゴミ袋が破れると、そこから猫砂がこぼれてしまう場合があるので気をつけましょう。

猫砂がこぼれると排水管の詰まりの原因になるため、便器に被せるゴミ袋を2重にしたり厚手のゴミ袋を使用するなど、ゴミ袋が破れないような工夫が必要です。

簡易トイレは何日分用意するべき?

内閣府(防災担当)は、簡易トイレは3日分~1週間分を用意するよう推奨しています。

災害時にはライフラインがいつ復旧するのか予想がつきません。実際に、被災地の避難所で3日以内に仮設トイレが使えるようになった所は、全国の自治体の約3割だったというデータもあります。

そのため1週間分は用意しておくようにしましょう。ちなみに、ゴミ袋を1週間分用意するとして、必要な枚数を計算すると次のようになります。

トイレを利用する回数は、大人で1日に5~7回と言われています。

  • 便器用ゴミ袋 1枚
  • 便座用ゴミ袋 7回(1日分) x 7日 x 人数分

便器用のゴミ袋は1枚用意すればいいのですが、便座用ゴミ袋は、2人家族の場合98枚、4人家族の場合は196枚が必要になります。

まとめ

今回は、急な災害で断水した時に役立つ簡易トイレの作り方についてご紹介しました。

簡易トイレは水がなくても使うことができます。

簡易トイレを作るのに必要な材料は、ゴミ袋と新聞紙の2つだけ。便器が壊れている場合は、ダンボールで簡易トイレを作ることもできます。

排泄物が入ったゴミ袋やダンボール製の簡易トイは、そのまま燃えるゴミとして処分できるため、災害時には非常に助かります。

また、新聞紙の代わりに凝固剤として使えるのは猫砂です。猫砂は吸水・消臭効果にも優れているため、新聞紙の代用として使うことができます。

簡易トイレは最低でも1週間分を用意しておきましょう。

急な災害で断水しても慌てずにすむように、簡易トイレの作り方を確認しておき、必要な物は防災グッズの一つとして備蓄しておくといいでしょう。

参考資料:避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン

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