近年、頻繁に発生している地震や豪雨、台風などの自然災害。日本に住んでいる以上、それは決して避けられないことです。
もしもの時、どのような備えをしておくかで身を守ることができます。そして、備えがあれば自分だけでなく大切な家族の命を救うことにも繋がるのです。
今回は、災害時になくて困った経験談を元に、準備しておくべき防災グッズをわかりやすくまとめました。
緊急な状況の際にも、冷静に賢く判断するためのツールとして、ぜひこの記事を参考にしてください。
災害時になくて困ったものは何がある?
「災害時に備えて準備したはずが、〇〇だけ持っていなくて本当に困った…」という経験がある方も実際に多いのではないでしょうか。
【結論】電気系統の用意がなく困ることが多い
私たちの生活必需品といえるスマートフォンや携帯電話。常日頃から持ち歩いている方がほとんどですが、災害が発生した場合、スマートフォンや携帯電話だけを持って避難するのは安全ではありません。
充電を行うためのモバイルバッテリーや乾電池、明かりを灯す照明器具など、電気系統の防災グッズは準備する際に最も見落としやすい傾向にあります。
携帯電話は毎日コンセントに差して充電するのでモバイルバッテリーを習慣がないという人も多いです。
こうした日常の出番が少ないからこそ、モバイルバッテリーなどの電気系統の用意をしないまま過ごし、いざという時になくて困るというケースが多発しているのです。
災害時はライフラインが止まる
では、どういった状況になると困るのでしょうか。代表的なのは、災害によって自宅のライフラインが停まり、復旧まで停電が続いている期間です。
冬の寒い夜に電気が使えず、スマートフォンや携帯電話の充電もなくなってしまった時のことを想像してみましょう。事前に何を準備しておけば良いのかリストアップしておく必要がありますね。
災害時になくて困ったものリスト
災害時に備えて、本当に使うものだけを厳選しています。参考にしながら、防災グッズとして準備をしておきましょう。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは、災害発生時の停電や避難するための移動、屋外で過ごす際などに非常に役立つアイテムです。スマートフォンや携帯電話は通話だけでなく、インターネットによる安否確認や情報収集もできます。多くの役に立つ便利機能が搭載されている分、日々こまめに充電する必要がありますよね。
しかし、災害状況によっては停電する日々が続いたり、あるいはコンセントが近くにない場合も考えられます。避難所では、無料でWi-Fiを解放することも多いので、モバイルバッテリーは忘れずに備えておきましょう。
(総務省は、被災地域の人々のために無料開放した公衆無線Wi-Fi「00000JAPAN」を開設しています)
乾電池
乾電池があれば、電気が使えない間も困ることがありません。明かりを灯して過ごす夜や、暗い空間内での移動、スマートフォンや携帯電話の充電ができます。乾電池が活躍する防災グッズといえば、懐中電灯・モバイルバッテリー・ラジオ・防犯ブザーなど、幅広い用途に対応しているのです。
貴重な電源となる乾電池ですが、防災グッズとして保管するには、いくつかの注意点があります。
乾電池は保管方法を誤ると、液漏れや発火する可能性も十分にあるので、保管の際には上記の項目を確認しておきましょう。
照明器具
照明器具は、乾電池と一緒に備えておくべきアイテムです。
最新のスマートフォンや携帯電話にはライト機能がありますが、災害時で使う場合は、連絡や情報収集のために電力を残しておくほうが安心ですね。そこで、オススメしたい照明器具は、持ち運びがしやすく、調光ができるタイプの懐中電灯やライト。足元を照らすことで怪我や事故を防ぐことができ、食事や身の回りの支度をする際のストレスも緩和されますよ。
カセットコンロ
家庭鍋やアウトドアシーンで使う出番の多いカセットコンロは、防災グッズとしても優秀なアイテムです。カセットコンロを備えておけば、お湯を沸かしたり、加熱調理ができます。特に、寒い冬の時期では、まさに救世主でしょう。予備のカセットボンベも一緒にストックしておきましょう。
ラジオ
今はスマートフォンのアプリでもラジオが聴けますが、充電の消費が大きく、いざという時に連絡が取れなくなるリスクは避けたいですよね。災害時に、携帯ラジオで情報収集がまかなえるよう備えておきましょう。
また、避難所で生活する可能性もあるので、スピーカーとイヤホンの両方で聴けるラジオをオススメします。
水や食料品
水は生きるために欠かせないもの。災害時には電気やガス、水道がストップし、復旧までに何日も続いてしまう場合も考えられます。成人の場合、1日に必要な飲料水の目安量は約2〜3リットル。避難する際は、衛生的で持ち運びやすい500ミリリットルのペットボトル3〜4本を入れておきましょう。
自宅では、1人3日分の飲料水を常備し、食料品も同じように3日分程度ストックしておくと安心です。
最近の非常食には、食器が不要になるように配慮されたものが多く、パッケージが自立するように設計されていたり、スプーンやフォークが付いている食料品もありますよ。
注意点としては、保存期間が過ぎてしまわないように定期的な見直しを行うことが大切です。
また、常日頃から日持ちする食材などを把握しておくと、いざという時に準備することができます。日持ちする食材については「日持ちする食材をカテゴリ別に紹介|揃え方やローリングストックのコツ」にて解説しています。
衛生用品
健康を維持していくためには、衛生用品の備えも大切です。女性の方や小さなお子さんがいるご家庭では、家族分の衛生用品も含めて把握しておきましょう。
救急セット
救急セットは、避難所での体調不良になった時、もしくは避難中にケガをした場合に役立ちます。
適切な医療を受けることが難しい状況でも、応急手当ができる分の救急セットがあれば、健康に衛生状態を保つことができます。
災害時では、普段と違った環境の中での生活が続くので、心身の疲れから体調に異変が起きてしまうことも少なくありません。体調変化に対応できる常備薬やお薬手帳など、すぐに持ち出せるような場所に置いておきましょう。
小銭
ここ数年でキャッシュレス化が進み、コンビニなどで電子決済をする機会が多い方も増えていますね。
しかし、災害発生後の停電によってATMが止まり、現金しか使えない状況が起きてしまう可能性も大いにあります。例えば、復旧したばかりの食料品売り場など、現金のみ取り扱いの場合が多くなるでしょう。
防寒具
車中や屋外で寝泊まりすることになった際、寝袋や毛布などの災害用寝具は必ず要ります。避難所では、災害用寝具は準備されているところが多いですが、安心して過ごすためにも自分の使い慣れたものを備えておくことをオススメします。
災害用寝具はサイズや重量がそれなりにありますが、小さく折りたためるアルミブランケットも販売されています。
季節によって、就寝時にあると助かる備品も忘れずに準備しておくことがポイントです。
- 夏…虫除けスプレー・アイスノン
- 冬…手袋・厚手の靴下・カイロ
災害時によく困ることは何?
実際に災害に遭った場合、困ってしまうことは次の3つです。
電気やガスが使えない
ライフラインが止まると、電気やガス、他にも水道が使えなくなります。停電すると部屋の明かりだけでなく、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品も使えなくなるので、冷蔵・冷凍の食料品が傷んでしまい、衣類の洗濯もできなくなります。
ガスが止まると、お湯でのシャワーが使えなくなり、コンロを使った加熱調理も行えません。
情報が届かない
普段はテレビやインターネットで入ってくる情報が、災害によって電波が届かなくなってしまうことも考えられます。Wi-Fiがあっても、携帯電話の充電がゼロになると情報手段は途絶えてしまいます。
水や食料品が足りない
水や食料品は、健康に生きる私たちにとっての命綱です。大規模な災害が発生した場合、近くのスーパーやコンビニの営業再開も目処が立たない状況になります。防災用のストックがないと、物資のある場所まで通うことになり、過酷な環境下で多くの労力がかかってしまいます。
事前にスーパーで買える非常食を知っておくと便利です。詳しくは「スーパーで揃えるべき非常食とは|選び方や注意点とおすすめの食品一覧」をご覧ください。
まとめ
災害大国と呼ばれる日本。内閣府の発表では、「首都直下型地震や南海トラフ地震などの巨大地震は、30年以内に70%の確率で発生する」といわれています。
こうした自然災害が起きた時、自分や家族の命を守るために肝心なことは、防災グッズの準備です。特に避難時に忘れがちな電気系統のものは、まさになくては困る存在です。避難する場所や季節に合わせて防災グッズを定期的に入れ替えることで、使用期限や状態もチェックできます。健康に関わる水や食料品や、保管上の注意が必要な乾電池などは、安全への配慮を心がけてください。
はじめの一歩として、まずはこの記事を参考にしながら、防災グッズを備える行動を少しずつ始めていきましょう。